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シアトル・マリナーズ

シアトル・マリナーズ

概要

『シアトル・マリナーズ』は1977年に誕生した、アメリカMLB、アメリカンリーグ西地区所属のプロ野球チーム。本記事では1991年に起こったNintendo of Americaによる球団買収騒動について記述していく。

シアトルマリナーズの誕生

そもそも、シアトルに最初に出来たプロ野球チームはマリナーズではなかった。

1969年、メジャー・リーグ野球機構はシアトル市とキング群の住民に球場を作れば球団がもてるようにすると約束。キング群の住民は建設資金調達を目的とする債権発行を投票によって承認し、シアトル・パイロッツが誕生した。しかし、地元オーナー達は十分な資金を球団に提供出来なかった。1970年のシーズンがはじまる数日前にチームは売却され、移転してチーム名も、ミルウォーキー・ブルワーズと変わった。

キングドーム球場建設計画は完成を前に一時中断を余儀なくされた。さらにワシントン州の検事総長とキング群の行政長官は連帯で提訴することを決意した。

1976年、ワシントン州とキング群に雇われたウィアム・ドワイヤーはこの起訴を法廷に持ち込んだが、判決に達する前に法廷を離れて協議することとなった。こうして法定外協定が交わされた結果、メジャー・リーグ野球機構はキング群に別のチームを与えなくてはならなくなり、群はすぐさま球団に20年の球場リース契約にサインさせた。

起訴の結果誕生したシアトル・マリナーズは、法律行為を通じて設立された初めてのスポーツチームである。この時のワシントン州の検事総長、スレイド・ゴートン上院議員はシアトルの球団を地元が維持できるよう長年に渡って支援を送った。

売却までの経緯

チームが再び危機に陥ったのは、1989年にジェフ・スマリアンがオーナーを引き受けてから2年後の1991年のことである。スマリアンはオーナーを2年務めた後、経営難を理由にチームを売却することを決意していた。そこで買収先として浮上したのがNintendo of Americaである。スレイド・ゴートン上院議員がNintendo of Americaの荒川實社長に買収を要請。

当初、買収グループのことを知らされていなかったメジャー・リーグ野球機構側は会合をもつことを同意するも、出資グループに日本人が含まれていると知ると態度を一変、「Nintendo of Americaは好ましくない」という理由で会合をキャンセルした。

1992年1月23日、任天堂側は記者会見を開き、買収の意思表明及び、任天堂が組織した出資者グループがシアトル・マリナーズを買い取った時に球団を運営することになる「ベースボール・クラブ・オブ・シアトル」という会社について説明した。この記者会見にはスレイド・ゴートン上院議員も参加しており、歓迎の意志を表明した。日本でも1月24日(シアトルではまだ23日)に山内溥が東京で記者会見を行い「スレイド・ゴートン上院議員の依頼を受けてこの球団の買い取りを決意したものであり、地元(シアトル)の反対が大きくなった場合にはマリナーズ買い取りの努力は見直すことになるだろう」と語った。

これに対しメジャー・リーグ野球機構のコミッショナー、フェイ・ヴィセントは、合衆国とカナダ以外からの出資を認めないという方針を改めて表明した。また当時タンパベイ(フロリダ州)が球団を望んでおり、タンパベイが買収するという見方も強かった。さらに任天堂が買収表明を行ったタイミングは、これ以上ない悪いタイミングで行われていた。このときアメリカは、戦後最悪のジャパン・バッシングの波に揺れていたからだ。

これに対し任天堂は、ロッキー社上級副社長ロバート・ハートリーを広報の専門家として引き入れ自体の好転を狙う。当初は外国人嫌悪問題と人種差別の問題に苦しむも、『シカゴ・トリビューン』紙が1月25日に任天堂を支持する社説を最初に書いたのをきっかけに事態が好転しはじめ、様々なメディアが任天堂を支持、メジャー・リーグ野球機構による人種差別主義をバッシングし始めた。野球機構側は、議論の論点を愛国主義や地元資本による球団経営の重要性へと方向転換させようとしたが失敗。また、任天堂の技術がギャンブルに使われているという点を攻撃しようとするも、任天堂側が自分たちの技術をスポーツ賭博に応用することは絶対にしないと約束したことにより回避される。

その後任天堂側はマリナーズ側と初会合を持つも、オーナーであるジェフ・スマリアンは出席しなかった。

数回の会合を経て、ようやく4月3日に契約が成立。しかし、その後のメジャーリーグ・オーナーシップ委員会の会議で、買収の承認は保留された。最終的に契約が完了したのは1992年7月1日午前1時30分のことであった。

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